看護師だから理解に苦しんだ「五臓」のはなし【くー先生となみみの相談室】
あなたの「体質」を知るために必要な考え方
こんばんは。maison de megri 看護師ライターのなみみです。
今日はくー先生となみみの対談形式で、中医学の基礎用語を掘り下げるシリーズの番外編。これから暖かくなり、ビールが美味しい季節。
一口ゴクリとビールを飲んで、「あーー!五臓六腑にしみわたるー!」と叫んでいる人を聞いたことはありませんか?
ナミミ、マタノミスギテマスネ

あの「五臓」、中医学の基本的な言葉で、とても大切な考え方なのです。
「五臓」の考え方は、あなたが自分の体質を知り、今の不調の原因を探し出す手助けを、きっとしてくれます。
「五臓」ってどこ?そして何?
くー先生に相談する前に、今日は私がお伝えします。
何故なら、看護師であり、西洋医学を学んできた私にとって、この「五臓」の考え方に馴染むのに、とても苦労したから。
苦労したので、きっとわかりやすく伝えられる!・・・はず(笑)
「五臓」は「臓器そのもの」ではなく「機能」を指す
五臓は「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の五つを指します。中医学でいう五臓は、その臓器を中心とした「機能」全体を含んだ考え方なので「臓」をつけずに「肝」や「心」のように一文字となっています。
日本では、先に五臓の考え方があり(中国の古い書物「黄帝内経(こうていだいけい)」による)、1774年に出版された「解体新書」(江戸時代に翻訳された西洋医学の本)を制作するにあたり、五臓と似たような働きをする臓器を「心臓」「肝臓」と名付けていったとされています。

西洋医学の「臓器」とは切り離して考えるべし
五臓は私たちが飲食した食べ物から栄養成分や水分を消化吸収し、「気」「血」「水」を作り出し、貯蔵する役割をもっており、「体質」を理解していくうえで必要となる考え方です。
臓器の名前と似てはいるけれど、その働きはまったく別のもの、として考えた方がいいと思います(今後もなみみは相談室で解剖生理に邪魔されて、混乱するはず…笑)
ナマエハ「はな」デオナジデスガ、マッタクベツノイキモノデス


そして五臓はお互いが繋がり合い、体の中でのバランスを保っています。どこかの臓に不調がでると、その他の臓にも影響が出てきます。
「気」「血」「水」が身体のバランスを取り合う「三本柱」だとすると、「五臓」は、その後ろに控える「五本柱」のような存在です。五本のうちのどれかの柱が太くなりすぎたり、細くなりすぎたりすると、バランスが崩れ、不調が出てきます。
ナースのなみみからお伝えしたいこと
なぜ五臓の考え方をわかってほしいか。
それはズバリ!不調に対する対処法がわかるから。
自分は五臓のなかで、元々どこが弱いのか。
今出ている症状は「五臓」のどの部分が弱っているからなのか。
季節や環境とも深くつながっている五臓は、変化に伴う体のゆらぎにも関係してきます。
五臓を知っておくと、不調が出たときに「今は五臓のうちの○○が弱っているみたいだから、その部分を補う養生をしよう」というのがわかってきます。
「五臓」を知る事は「ワタシ」を知ること。
季節や環境で体がゆらいでも、巡らせて、整えて、明日もゴキゲンに過ごしましょう。